ブラックタイガー — Kadsura coccinea
学名:Kadsura coccinea
分類:マツブサ科(Schisandraceae)カズラ属(Kadsura)
原産地:中国南部、ベトナム、ラオスなど東南アジア
別名:レッドマグノリアバイン、スキサンドラ・コッキネア
タイプ:常緑つる性木本
概要
ブラックタイガー(Kadsura coccinea)は、マツブサ科カズラ属の常緑つる植物で、深紅から黒紫に熟す果実が特徴的です。
果実の外観が黒い虎の模様のように見えることから「ブラックタイガー」と呼ばれます。
アジアの一部地域では薬用や果実酒の原料としても用いられています。
特徴
- 葉:光沢のある濃緑色の楕円形で、厚みがあり、やや革質。
- 花:春から初夏にかけて淡黄色から桃色の花を開く。
- 果実:球状の集合果で、熟すと濃い赤から黒紫に変化。果実径は約5〜8cm。
- 樹形:つる性で、支柱や樹木に絡みつきながら伸びる。
栽培のポイント
- 温度:耐寒性は弱く、冬季は10℃以上を保つと良い。
- 光:半日陰〜明るい日陰を好むが、明るい環境下では果実色が鮮やかになる。
- 水やり:乾燥を嫌うため、鉢土の表面が乾いたらたっぷりと与える。
- 土壌:有機質に富んだ排水の良い土壌を好む。
- 肥料:春と秋に緩効性肥料を施す。
- 剪定:伸びすぎたつるを整理し、風通しを良く保つ。
- 病害虫:カイガラムシやハダニに注意。
繁殖方法
種子または挿木で増やすことができます。
種子は果実から取り出してよく洗い、まき土に軽く埋めて発芽まで湿度を保ちます。
挿木は春から初夏が適期で、半熟枝を用いると発根しやすいです。
利用・文化
中国や東南アジアでは、ブラックタイガーの果実は強壮作用があるとされ、漢方薬や果実酒に利用されます。
また観賞価値も高く、珍しい実をつける観葉果樹として人気があります。
分布・生育地
雨の多い温暖な山地に自生し、森林の縁や低山帯に分布します。
湿度の高い半陰地を好みます。
備考・トリビア
中国では希少な薬用植物として保護対象になっており、野生株の採取は禁止されている地域もあります。
果実は「紅参藤果(Hong shen teng guo)」とも呼ばれます。
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