フィンガーライム ‘レッドシャンパン’ —Finger lime ‘Red Champagne’
概要
フィンガーライム(Citrus australasica)は、オーストラリア原産の原種シトラスで、果肉が小さな粒状に分かれることから「キャビアライム」とも呼ばれます。
‘レッドシャンパン’はその中でも特に人気の高い赤系統品種で、果皮は深いワインレッド、果肉はピンク〜赤色を帯び、芳香と上品な酸味が特徴です。
高級レストランやスイーツ、カクテルなどに用いられ、日本でも注目されています。
特徴
- 葉:小型で細長く、光沢のある濃緑色。枝には小さな棘を持つ。
 - 花:春〜初夏に白く小さな芳香花を咲かせる。
 - 果実:細長い円筒形で、長さ6〜10cm。果皮は赤褐色〜深紅色。果肉(バブル状の果粒)はピンク〜淡赤色。
 - 果汁:爽やかで香り高く、酸味がマイルド。料理やデザートに彩りを添える。
 
栽培のポイント
- 温度:最低気温5℃以上を保つ。耐寒性は柑橘類の中ではやや強いが、霜害に注意。
 - 光:日当たりの良い場所を好むが、真夏の強光を避けると果実がきれいに着色する。
 - 水やり:乾燥にやや弱く、鉢土の表面が乾いたらたっぷりと与える。過湿も避ける。
 - 土壌:弱酸性〜中性の排水性に富んだ用土。腐葉土・赤玉土・パーライトなどの混合が適す。
 - 肥料:春と秋に緩効性肥料を施す。開花・結実期には液肥を補うと良い。
 - 剪定:開張性の枝を整え、風通しと採光を確保。トゲの除去で管理が容易になる。
 - 病害虫:アブラムシ、カイガラムシ、ハモグリガなどに注意。風通しの良い環境を維持する。
 
繁殖方法
接ぎ木が主流。台木にはトリフォリオータ(カラタチ)や他の柑橘台木が使用されます。
種子からの実生も可能ですが、結実までに時間がかかり、親品種と異なる特性が出ることがあります。
利用・文化
果実の粒状果肉は「キャビアライム」として世界中のレストランで使用されています。
特に‘レッドシャンパン’はその色味と香りからデザートやカクテル、寿司、サラダなどに人気。
食感はプチプチと弾け、柑橘の香りが口いっぱいに広がります。
分布・生育地
原種のフィンガーライムはオーストラリア東部の熱帯雨林地域に自生します。
レッドシャンパンは園芸選抜品種で、温暖な地域や温室での栽培に適します。
備考・トリビア
フィンガーライムは遺伝的に多様で、果皮・果肉ともに緑・黄・赤・黒など多彩な系統があります。
‘Red Champagne’はその中でも高級レストラン向けに人気が高く、果実は冷凍・冷蔵での流通にも適しています。
原産地マップ
▲ フィンガーライム(Citrus australasica)の原産地:オーストラリア東部(ゴールドコースト〜クイーンズランド南東部〜ニューサウスウェールズ北部の亜熱帯雨林地帯)
代表地域:
Gold Coast/
Lamington National Park/
Border Ranges National Park